Column - 2006.12.04
第25回「楽しいことランキング」
原稿を、ちまちま書いているというのは、ストレスが溜まるものなのです。
ゴールはずいぶんと先で、しかも、自分で書いていることが読者の方から見て面白いのかどうかもよくわからない。迷いに迷いながら原稿の枡目を埋めていく。
これが、歌手や演奏家や演劇の方だったら、目の前で観客の方々から即、反応を得られるのに……エエなぁ……と思ったり。
書き上げても読者の方から反応がすぐにあるわけではなし。ウツウツと仕事をします。
で、極限まで、ウツウツが来ちまったら、楽しいことを考えようとするわけです。
だから、この仕事をやっていての楽しいランキングを書いておこうかな。
では、
「モノ書きやっていて、楽しいことランキング」
■第十位 長編の書き出し二十枚目
やっと、物語が始まるかなというところ。書きたいことが、書き出せるあたりです。
別に楽しくはありません
■第九位 電話で執筆依頼が入る
ま、これからの苦労の前奏なのですが、私は脳天気なので、注文を受けているときは、
いかにも天才が大傑作を書きます!といった応対をしています
■第八位 クライマックスを執筆しているとき
ああ、これで解放される!という思いと、脳内にエンドルフィンが分泌されたような多幸状態で
あります。ま、これくらいの勢いでないと、おかしくって書き上げられません
■第七位 原稿料・印税が振り込まれたとき
これは、言わずもがなでしょう。嬉しくないやつが、どこにいる
■第六位 増刷のお知らせ
こんなに嬉しいお知らせがあるでしょうか?だって、働かなくても入ってくるんですよ。
不肖の息子が旅に出て仕送りしてくれたような気分になります
■第五位 自分の原稿が一冊の本になったとき
これは、初めて本を出したときから、ずっと私にとって変わらない嬉しいことです。
しばらくは、自分の本を仏壇にあげておくほどです
■第四位 長編を脱稿したとき
このときのお酒は本当においしい。町内を駆け回りたくなるほどです。ただし、虚脱感に
襲われて、しばらく何もできない状態になることも、しばしばですが
■第三位 完成して、担当編集さんと打ち上げ!
このときは、売れるか売れないかは未知数ですが、とにかく発売日を前に、気分が高揚
しています。あまり、後ろ向きな考えをしない性格なので、とことん楽しみます
■第二位 ファンの方から、お褒めの言葉を頂いたとき
編集部気付でそんなお手紙を貰ったりすると、やはり喜んでしまいます。何よりも、ファンの
方の「おもしろかった」の一言は、心の支えです
■第一位 ノーベル賞を貰って、出す本ことごとくベストセラー!
地中海で美女を侍らせて、うまい酒を飲む
これは、まだ実現しておりませんが……。まぁ、例によってたわけの妄想という風にお考え頂けれ
ばと思います
と、読み直してみたら、何となく自分で情けなくなってしまったぞ。
次は嫌なことランキングかと考えたら……これはベスト30でも書き尽くせないのですよ。
こちらは、書いていたら、どん底まで落ち込んでしまうな!