Column - 2007.07.01
第32回「ホラー映画の法則」
熊本では、お盆は七月ですが、昔から七月盆あたりから怪談映画が増えてきますねぇ。納涼怪談というか、ぞっとして暑さを忘れさせるという発想なのでしょうか。
欧米では、日本と違ってクリスマス前後が、ゴーストストーリーが多いってことを聞きますが、どうなのでしょう。私は、根っから、怪談、ホラー、SFといったものが好きなので、この手の映画は、年中のべつ観ています。特にB級C級ホラー。
すると、いくつかの約束ごとが見えてきました。ホラー映画の法則というか‥‥。
それを書いてみることにします。思いついた順番に。
●断崖絶壁沿いの細道を進む描写があったら、一行の誰かが、必ず谷底へ落ちる。
●怪物、怪人、ゾンビなどに追われて、逃げようと飛び乗った車は、キィを回してもエンジン
がかからない。
●ヌードになると、おっぱいの形が今ひとつだったり、貧乳だったりという女性が怪物や殺
人鬼の犠牲になる傾向がある。
●エッチなカップルから順に、怪物や殺人鬼に殺される傾向がある。
● だいたい不気味な音楽が流れ始め、登場人物が、怪物がいないかと、カーテンの後ろや物陰
を覗き込む。しかし、そこには、いないことが多い。やあ、安全だ、と登場人物がホッとし
た瞬間に、怪物は突然襲ってくる。
●パーティーシーンがあれば、その会場は必ず、阿鼻叫喚のパニック状態になる。
●途中で怪物や殺人鬼を退治するために発明されたり、考案される解決策は、だいたい役に立
たず効果がない。逆に、一層、悲惨な結果を招く。
●上映時間30分を過ぎないと、怪物、怪人は姿を見せない。。
●B級C級ホラーの登場人物は、だいたい全員アホである。
観客が観ていて、やるんじゃない!ということをやる。
一人になるんじゃない!という場所で、仲間とはぐれたり、単独行動をとりたがる。
音がしても見に行くな!というとき、アホだから、すぐに見に行き、殺される。
●登場人物の中で一番の美女が、最後まで生き残る。
●死んだはずの怪人、怪物、殺人鬼は、エンドマーク前に、実は生きているということを匂わ
せる。ちっとも意外じゃない。
●一番最初の犠牲者は、金持ちか、意地悪な中年か、ルールを無視する生意気な若者のいづれ
かである。
●主人公と敵対するキャラクターは、かなり最後まで生き残る率は高いが、必ず残虐な殺され
方をする。
●怪物や怪人に追われるヒロインは、もう少しで助かるという場所まで来て、必ずコケる。
だが、危ないタイミングで助かる。
このパターンを、すべてはずしたホラー映画であれば、その映画はすさまじい傑作であるか、箸にも棒にもかからない駄作であるかのいずれかだと思うのですが。
ホラー映画を観るときに思い出していただければ、ニヤリとできますよ。