Column - 2016.11.01
第144回 ポケモンGOで行こう
熊本地震復興シリーズ。今回は書くことはありません。わが家の解体が終わり地鎮祭も終了。猫たちと裏の借家で新居完成まで仮住まい。まあ、エピソードが諸々たまりましたら、次回書くことにしましょう。
それで、今回は目下の私の嵌まりものについて書きましょう。
今、ポケモンGOに入れ込んでいます。
ポケモンはポケットモンスターの略で子供向けのアニメ。正直、私はこのアニメには何の興味もありません。ピカチュウなるポケモンが人気があるなという程度の認識でした。
ある日、海外のトピックでポケモンGOなる携帯ゲームが発表され大評判になっていることが紹介されていました。大人たちがスマホを手に街中をうろつきまわる様子をテレビで見て、異様な感じを受けました。どうも画面の中には現実の風景とともに日本アニメのキャラクターがいるようなのです。
頭の中をいくつもの「?」が行列しました。
スマホゲームだろう?大の大人が揃いも揃って何をやっているんだ。嘆かわしい。
そのポケモンGOは海外で先に配信されたのですが、やがて日本でもスタートすることになりました。当然国内のフィーバーぶりもニュースになりました。スマホを覗き込んでいる大人たちが、一斉に同方向へ走り出す様は集団催眠のようでした。もう日本は終わりかな、と思いました。世も末だと。
そんなことは自分には無縁な話だと思っていたのですが。
山の仲間が登山口でポケモンGOをやり始めたときは、驚いて顎が外れるかと思いましたよ。スマホ握って「おっつ。新しいポケモンがいる!」と探し回る姿を見て、思いました。ポケモンどころか、こいつらは呆けもんだ!と。まさか、彼らまで汚染されるとは。わしは絶対にやらないぞ!心に決めました。
すると、東京から来た編集さんまで。
「やり始めたばかりですが、今、レベル3です。編集長はレベル7になったと言ってました。社内でもポケモン捕まえますよ」
私は、毎朝5時に起きて近くの花岡山という里山の頂上まで散歩します。そして、いつものように花岡山へ出かけたある朝のこと。
魔が差しました。ポケモンGOのアプリをインストールしてしまったのです。
画面の中で、私はポケモントレーナーになり、百数十種類に及ぶポケモンたちをコレクションする任務を与えられたのです。ゲームの中で、私は短パン金髪のうら若い女性となりました。町にポケストップという場所があり画面に表示されるので、そこでポケモン狩りに必要なボールや、ポケモンを逃しにくくする木の実、ポケモンの傷を癒やすキズぐすりを集めて準備を整えます。歩いていると近くにポケモンがいることをスマホが教えてくれるので、周辺を探し回らねばなりません。見たことのないポケモンは「近くにいるポケモン」欄にシルエットで表示されます。
ポケモンGOを始めた日の朝の散歩の歩数は1万歩を突破しました。いつもは6千歩くらいなのに。新たなポケモンを図鑑に入れると嬉しくてたまりません。
嵌まりました。
世の中では「もうポケモンGO飽きちゃいましたよ」という人続出ですが、私は病膏肓です。新たなポケモンを探して1日何キロもうろつきまわります。あまりに歩きすぎて夜中に足が攣る始末。
ポケモンを捕獲するボールをゲットするためにポケストップ巡りも欠かせません。このポケストップの場所も規則性があるのかないのか。お地蔵さんやらモニュメントやら看板やら。「こちらの部屋はポケストップみたいなんで失礼します」と、私の仕事場にスマホを手にした若い女性が次々に訪ねてくるという妄想まで。
近場では同じようなポケモンしかいないのでツイッターで検索する。すると、どこそこがポケモンの巣だ!いろいろ出るぞというつぶやきが。じっとしておれず、噂の公園や港へと出かけます。噂になるスポットだけあって、スマホを持ってうろついている人の多いこと。性別も年齢層もばらばら。そういえば、ポケモン呼び寄せ効果があるモジュールというアイテムをポケストップに仕掛けると、ポケモンよりもスマホを持ったむさ苦しいオヤジたちがワラワラと集まってきて、気色の悪い思いをしましたよ。
私のような年齢のものがやっていると、同類と思うわれるのかな?熊本港ではジャージ姿の無精髭男に「ラプラス出ますよ」と話しかけられました。嬉しいのか、やたら話しかけてくる。聞けば熊本市の反対側の公園と港の間を、毎日歩いてて往復している、と。無職ですか?食っていけるんですか?とは、とても聞けません。でも、風体の怪しいプレーヤーが多いなあ。
ツイッターでポケモンに関するつぶやきが増えたから、私の周辺の皆さんの話題にも出ますね。先日、長崎県立大で学術講演会をやりましたが、担当の教授さんから「キャンパスのポケストップによくカモネギが出るんですよ」と画面を見せられました。タハハ。
図鑑は110種類埋まりましたが、末永くやっていくつもりです。完璧な図鑑になるまで。
子供の頃から昆虫採集やキノコ採り、山菜採りが大好きだったから、その延長ですかね。
いや、男の子の心を持ったまま成長した人だったら、誰も没頭してしまう要素があると思いますよ。
歩きスマホだけは注意して。