News - 2015.10.01
第131回 今年もそろそろ例の季節
8月の終わりがけ。ふっと明け方に寒さを感じることがあります。そんなときに、真っ先に頭に浮かぶのは、「そろそろキノコの季節が始まりそうだ」ということ。
山ではハタケシメジが顔を出す準備をしているんじゃんないかな、と。
昨年までの日記を開いてみます。日記といっても、メモ程度のものですが。何月何日にどの山へ行った、その日の気温や天気はどうだった、何のキノコが採れたか、日記に付けた記録を見るとよくわかる。記録は数年分にわたっているので、あまり大きな狂いもなくキノコをゲットできるのです。これは私の宝物ともいえるかな。ハタケシメジやらムキタケ、クリタケなどは、過去のデータとあまりぶれることはないのですが、キノコの種類によっては、全然あてにならないものもあります。見事としかいいようのない真っ赤なタマゴダケとか、ナメコとかは、記録通りに同じ時期に同じ場所に行っても、一本も見かけないということも珍しくありません。まあ、表年、裏年というのもありますからね。
今年が表年であることを祈っておりますが。
キノコが好きという人には、最近よくお会いしている気がします。とにかくキノコを見ているだけで楽しいからと、キノコグッズを作ったりされる方もいますね。私がキノコ好きだと聞き及んで「キノコ採りに連れて行ってください」と頼まれることも増えました。でも、実はあまり開放的な性格ではないので、いつも決まった人々と、こっそり採りにいっているのです。
いつも一緒にキノコ採りに行っている人々は「食菌の会」と称していて、どんなキノコを採るかの判断基準は一つしかありません。「そのキノコは美味いか?不味いか?」
私には基本的にキノコとは何ぞや、というペダンチックに研究したりする趣味はございません。
種類はどうでもいいんです。
そして、その採れたてのキノコを、山でいかに美味しく食べるか!の一点に神経を集中する、潔い仲間です。
「ああ。キノコ採り。今度お連れしましょう。いいですよ」と、キノコ採りに連れて行ってください氏に安請け合いするのですが、自称「食菌の会」の人々は、「ダメダメ。そんな人はいづれライバルになるんですよ。先回りして採られて、私たちが採るはずのキノコは根絶やしにされてしまうんですよ!」釘を刺すんです。
ホントは連れて行きたいけれど、ごめんなさいネ。かつてキノコを採るテレビ番組で、山の中を歩きながらキノコを採るようすを紹介したのを見て、「何ということを!あの番組でキノコに興味を持つ人が増えたらライバルになるんですよ!」と激して糾弾されました。
「大丈夫ですよ。どの山かわからないから」といっても、「いや山好きの人が見れば一目瞭然!」と許してくれませんでした。キノコを採りにお連れできないのはそういう理由です。悪いのは私じゃない。この人たちのせい。
ところで、キノコは健康にいいからということで、ブームになっているとか。
多いのは「アガリクスってガンに効果があるそうですがどうなのでしょう?」という質問。いや、アガリクスとはハラタケ類の学名でして、いろんなアガリクスがある。南米のアガリクスの或る種が効果があるかもという説を聞いたことがありますが、よくわかりません。サルノコシカケもガンに効果ありと、漢方の世界で評判になったそうです。そういえばあまり聞きなれないメシマコブというのもサルノコシカケの一種ですね。長崎の離島の女島の桑の木に発生するサルノコシカケの一種が効果があったというので、韓国で培養研究が進んだらしい。現在、女島にはないそうですが。今、注目を浴びているのがシイタケ菌株らしいですよ。シイタケそのものじゃなくて、その根っこの木の中にあるのが"シイタケ菌株"
シイタケなら何でもいいのではなくて、効果があると認められているのは菌株だけらしいのです。それも、特定の培養した菌株だけ。
で、キノコの薬効というと、抗がん性をうたったものが多いですが、最近、認知症の予防になるキノコのことを聞きました。
ヤマシブタケ。
「脳の元気をサポートする成分」を含んでいるのだと。へぇー?
で、そのヤマブシタケを梅焼酎として作った製品を飲んでみました。「茸の恵(きのこのめぐみ)」というお酒。ヤマブシタケが漬け込んであるらしい。
飲んだけど、全くキノコ臭は感じませんね。本当に認知症に効果があるかどうかは、もっと飲み続けなければわかりませんが、確かなことは一つ。
おいしい。
ロックで飲んだのですが、炭酸で割ってもいけるかな。
いづれにしても私の歳になると脳機能の衰えに不安を抱えているから、ありがたい。
副作用は、飲み過ぎることかな。
ヤマブシタケは真っ白で、山伏が着ける胸飾りに似ているところから、そう名付けられたそうです。湯でてポン酢で食べたり、油で炒めれば美味しくいただけるキノコです。しかしまさかアルツハイマーに効果があるとは、想像だにしませんでした。
みなさんもお試しになってはいかが?
大事なことなので、もう一回言います。
高橋酒造さんの「茸の恵」という秘酒です。お間違えなきよう。